上野総合市民病院だより

 上野総合市民病院では、医療技術部として薬剤課、栄養管理課、臨床検査課、リハビリテーション課、放射線技術課、臨床工学課の6部門が設置され、医師や看護師と連携し、チーム医療に取り組んでいます。このコーナーでは、各部門の活動を紹介します。

地域包括ケア病棟(西館3階)

2022/4

社会復帰に向けた医療や支援を行う

 地域包括ケア病棟は、一般病棟で病状が安定した患者さんへ、社会復帰に向けた医療や支援を行う病棟です。

地域包括ケア病棟(西館3階)

 当病棟には、在宅復帰に向けてリハビリテーションが必要な人、入院治療により症状は改善したがもう少し経過観察が必要な人、自宅の改修や福祉用具を設置するなど、在宅復帰に向けて療養準備が必要な人や、自宅での生活に不安があり施設入所を検討中の人などがいます。

 入院治療の後、患者さんが自宅や地域に戻り安心して生活を送っていただくために、医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・管理栄養士・社会福祉士などがチームで関わり、退院に向けた支援を行っています。

 また、患者さんの状態に応じて、排せつケアや着替えの方法、吸引、経管による栄養摂取、車いすへの移乗の方法など、ご家族に対して在宅介護に必要な技術の指導も行っています。

 退院前には必要に応じて、ご家族、ケアマネジャーや訪問看護師、訪問介護士、介護施設職員などと話し合いを行い、患者さんやご家族が望む形での退院を可能な限り支援しています。また、退院後のケアもサポートしています。

(上野総合市民病院 地域包括ケア病棟師長 稲森 由佳)

健診センター

2022/3

定期的な健診をお勧めします

 伊賀市健診センターは平成19年に伊賀市の健康推進施策の一環として整備されました。年々増加する高血圧、高脂血症、糖尿病、心疾患、脳疾患などの生活習慣病の予防やがんの早期発見、早期治療の取り組みを進めるための拠点施設で、年間約8,700人の人間ドックや生活習慣病予防健診を行っています。

 生活習慣病は、自覚症状が出た頃には、病状が進行していることが少なくないため、早期に体の異常を発見し、早期治療につなげることが大切です。また生活習慣を見直し改善することで、病気の予防につながります。

 健診センターは隣接する市民病院と連携しており、健診で異常が発見された際には、スムーズに二次検査に移行することができます。二次検査の予約も健診センターで受け付けており、共通の診断・医療機器を使用していますので、診断・医療機器の差異による微妙な誤差はなく、異常所見に的をしぼった精度の高い二次検査を行うことができます。

 ぜひ定期的に健診を受けられることをお勧めします。

(上野総合市民病院 健診センター 保田 泰宏)

伊賀市健診センター
伊賀市健診センター

栄養管理課

2022/2

活き活きとした生活を送っていただけるように

栄養管理課 当院の栄養管理課には、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、栄養サポートチーム専門療法士、臨床栄養代謝専門療法士(がん繊毛療法士)、がん病態栄養専門管理栄養士、等の資格を有するスタッフがおり、それぞれの疾患に最も適した栄養療法を行えるよう努めています。

 皆さんは「栄養」についてどれくらい関心をお持ちですか?高齢の方や、多くの疾患を併せ持っている患者さんは低栄養に陥りやすく、ウイルスや細菌などによる感染性の疾患に一旦罹(かか)ると一気に重症化してしまうため、免疫力がとても大切です。そのためには、栄養が不足しないように予防することや、食べて腸を使い腸管の免疫機能を活発化させておくことが重要です。

 当院には、がん治療・緩和ケア、心不全をはじめ、誤嚥性肺炎・栄養サポート、整形外科疾患、消化器疾患など、診療科ごとに7つのチームがあり、私たち管理栄養士もチームの一員として入院・通院の患者さんが日頃から身体の栄養状態を高め、かつ健康を維持できるような、食事栄養管理と栄養指導に取り組んでいます。

 具体的には、栄養の大切さを知ってもらい、どういった食べ方がよいか、その上で栄養摂取が不足している場合の栄養補助食品の上手な活用方法の提案をいたします。また、口から食べられない場合の胃ろうからの栄養の内容について検討しています。

栄養管理課
栄養管理課
栄養管理課

 患者さんは長年の食習慣や、ひとり暮らしやご家族構成などにより、食環境もさまざまです。そのため、患者さんの病態を理解しつつ、できるだけ患者さんお一人おひとりの状況に合った栄養指導を心がけています。そして何よりも、患者さんやそのご家族自らが、明るい気持ちで、前向き意欲をもって療養生活が送れる指導を心がけています。

 患者さんから「食べられるようになり意欲がでてきた」「色々と食事のことが聞けて安心した」「教えてもらったようにちょっと気をつけたら血糖値が下がった」など、日々患者さんやご家族から頂く言葉が、とても励みになっています。

 これからも、入院された患者さんが、元気に食べて退院していただき、活き活きとした生活を送っていただけるよう、栄養指導・栄養サポートの実践に努めてまいります。

(上野総合市民病院 栄養管理課 管理栄養士 白井 由美子)

リハビリテーション課

2022/1

整形外科手術後のリハビリテーション

リハビリテーション課 当院では、病気や怪我の後の運動機能の回復を図り、日常生活動作が再びできるように手術後の早期リハビリテーションを実施しています。

 疾患や手術の特性に合わせたプログラムを実施するとともに、多職種で協力し、個々の患者さんが抱えている問題を解決しながら進めることを大切にしています。

 整形病棟では平日の朝に、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、作業療法士、理学療法士らが集まり、新規の入院や手術前後の患者さんについての情報共有、病棟での可能な動作や運動の確認などを行っています。

 ここで1つ、お聞きします。手術をした場合、何日目からリハビリを始めると思いますか?数日後?1週間後?
——答えは手術の翌日です。私たちは手術翌日から体調をみながら動作能力の確認を行います。できることがあればすぐに医師・看護師に報告し、病棟でできることが増えていくようにしています。

リハビリテーション課 当課には伊賀地域で1人しかいない日本理学療法士協会 運動器理学療法専門理学療法士が在籍しており、整形外科疾患や手術、術後管理方法などリハビリテーションに関連する内容について病棟看護師と勉強会を行い、患者さんに提供できる運動・動作練習、指導内容の向上に努めています。

 骨折などの外傷に加え、当院で力を入れている脊椎手術や人工股関節・膝関節手術にも対応し、早期の社会復帰を支援しています。

(上野総合市民病院 リハビリテーション課 理学療法士 田中大介)

整形外科病棟(本館3階)

2021/12

整形外科病棟(本館3階) 整形外科病棟は病室が45床(個室15室、2人部屋4室、3人部屋2室、4人部屋4室)あり、20名以上の看護師がチームに分かれ、3交替制で看護を行っています。

 病棟では、大腿骨骨折をはじめ、脊椎疾患や関節変形性疾患などによる治療を必要とする患者さんが多く入院されており、年間約500件の手術を行っています。患者さんの年齢層は10代から100歳までと幅広いことも特徴であり、転倒リスクに応じて転倒転落予防のケアを積極的に行っています。

 患者さんは突然の手術や生活の変化により心身に様々な影響が生じることが多くあります。そのため、日々、「チーム医療」を大切にし、医師をはじめ看護師、薬剤師、理学療法士、社会福祉士など多職種が意見交換を行い、患者さんの回復を支援しています。また患者さん一人ひとりの心に寄り添い、安心して入院生活が送れるよう個別性のある看護を目指しています。

 退院にむけては、入院時より退院後の生活を見据えた退院指導を行う他、患者さんやご家族の抱える悩みや思いを共有し、相談や情報提供・地域との連携を図っています。今後も苦痛の把握・共有に努め、患者さんが笑顔で退院できるようサポートしていきます。

 入院中に少しでも不安や悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

(上野総合市民病院 整形外科病棟 看護師 西岡由美)

臨床工学課

2021/11

臨床工学課の紹介

臨床工学課 当院の臨床工学課には9人の臨床工学技士がいます。臨床工学技士は、1987年に制定された国家資格です。今では医師や看護師とともにチーム医療の一員として欠かすことのできない医療技術者となっています。
 我々臨床工学技士が当院でどのような業務を行っているかをご紹介します。

血液透析業務

 人工透析装置や透析液供給装置、水処理装置の操作や保守点検を行っています。また、通常の透析治療の他に腹水濾過濃縮再静注法等にも対応しています。

臨床工学課カテーテル血管造影検査業務

 カテーテル血管造影検査において、使用する生体情報モニターの準備や操作、カテーテルの準備等、検査が安全かつスムーズに行われるようサポートをしています。

手術室業務

 手術にて使用する医療機器の操作や保守点検を行っています。また、直接介助業務も一部行っています。

医療機器中央管理業

 高度医療機器をいつでも安全に使用できるように保守点検を行い、ME機器中央管理室より一括貸出を行っています。
 また医療スタッフ向けに、医療機器の安全使用に関する院内講習会等も行っています。

 医療技術は日進月歩で進化を続けています。これからも高度な医療技術を提供し、病気と闘う患者の皆さんの支援ができるよう、日々新たな知識の習得と技術の向上に努めます。

臨床検査課

2021/10

臨床検査課の紹介

 当課では色んな分析装置を用いて、さまざまな項目の検査を行っています。

 検査には、病理検査、微生物検査、血液生化学検査、一般検査、輸血検査などがあり、血液や尿、喀痰、組織、細胞など患者さんから採取あるいは排泄された検体を分析する検体検査と、心電図検査、ホルター心電図、心臓超音波検査、呼吸機能検査、ABI(動脈硬化の検査)や脳波など直接患者さんに接して行う生理(生体)検査があります。

 今回はこれらの一部をご紹介します。

輸血関連業務

臨床検査課の紹介

 主に血液型検査、不規則抗体(ABO血液型にみられる抗Aおよび抗B抗体以外の抗体)のスクリーニングを行っていますが、これらの他に血液製剤の発注、保管、適合検査、払出し、輸血実施後副作用の管理などを当課で一元管理しており、輸血療法委員会で医師、看護師、薬剤師と共に安全で適正な輸血のための検討を重ねています。

新型コロナウイルス検査

 昨年10月から新型コロナウイルス抗原定量検査を実施しています。抗原定量検査は抗原定性検査(簡易キット)の40倍の感度があるとされ、ウイルス量が数値化できるため、感染の有無はもちろん、経過観察に有用です。検査は主に新規入院患者さんや内視鏡検査前の患者さんを対象に1日30件程度実施しています。感染防御認定技師を中心に院内感染対策チームと協力し院内感染防止に努めています。

採血業務

 採血は看護師の業務と思われがちですが、臨床検査技師も採血する事が許されています。看護師と協力し病棟と外来で採血を行っています。病棟採血に出向く事により患者さんの状態を知ることができ、検査データを確認・報告するうえでの考え方など視野が広がりました。

これからも・・・

 チーム医療の一員として多職種と連携し、臨床に役立つ検査結果を迅速かつ正確に報告することを心掛けています。

(上野総合市民病院 臨床検査課 末永 裕美)

外来・救急

内視鏡検査について

2021/9

 内視鏡室では、年間約3,000件の内視鏡による検査・治療を実施しています。

 上部内視鏡検査は一般的な胃カメラのほか、突然吐血した場合の緊急内視鏡止血術や魚の骨が刺さったり、薬のシートを飲み込んだりした際の異物除去術を実施しています。
 特に、急な吐血に対する対応は緊急処置を要するために、医師・看護師が待機体制を取っています。

 下部内視鏡検査では便秘や便潜血陽性の方の二次検査を行い、ポリープが見つかった場合、ある程度の大きさであれば早期の切除をお勧めしています。出血のリスクを考慮して1泊2日の入院をして頂き、ポリープを切除しています。

 EUSと呼ばれる超音波内視鏡検査では、直接肉眼では観察出来ない病変や腫瘍の深さなどがわかり、膵臓や胆道系の病変の診断に役立ちます。

 胃カメラと聞いて、怖いとかしんどいと思われる方がほとんどではないでしょうか。苦しそうな検査だからと敬遠されがちですが、当院では医師とともに消化器内視鏡技師免許を取得した2名の熟練看護師を配置しています。内視鏡検査について不安な点やご質問などがあれば、お答えいたします。

 検査・治療がスムーズに進むよう、また患者さんの不安が少しでも軽減されるよう呼吸方法を優しくご指導させていただき、介助に当たっていますのでご安心ください。検査中はリラックス効果を高めるために音楽を流しています。

 消化器肝臓内科外来は、毎日2名の医師が診察をしています。上部内視鏡検査では、口からだけではなく、鼻からの内視鏡検査も可能ですので、予約の際に鼻からの検査を希望することを、必ず医師にお伝えください。

 昨今の新型コロナウイルス流行により、上部内視鏡検査を受けていただく際は、当日すべての患者さんに新型コロナウイルス抗原定量検査をうけていただき、その結果を確認したうえで実施しています。

 消化器系に何らかの症状があり、ご心配な方はぜひ当院にお越しください。

 病気は早期発見が一番大切です。少しでも気になることがあれば、躊躇することなく検査を受けていただきたいと思います。

放射線技術課

CT画像を用いた画像等手術支援の取り組みについて

2021/8

 当院では、外科手術や整形外科の手術において手術前にCT撮影検査を行い撮影した画像から3D画像等を作成し患者様への説明時や手術中にも確認出来るようにしています。

 このことを画像等手術支援と言い、外科の手術では取り除く腫瘍の形状や場所、腫瘍に付随する栄養血管とよばれる動脈および静脈の走行や、周囲のリンパ節の腫脹と体幹部の骨格像をそれぞれ作成し、同時に3D画像で表記します。また、整形外科の手術では骨折部位の骨の3D画像を作成し骨折の形状や手術に用いる金属(固定具)の形状およびサイズ選定やスクリューの長さや傾きおよび角度等を測定し確認することができます。

 当院の放射線技術課のスタッフは、当院で外科的手術を受けられるすべての患者様が安全に手術を受けられるように、正確な位置情報と的確な病状確認ができる画像を提供できるよう訓練と教育を行っています。

CT装置で撮影した腹部の厚さ0.5mm

3D画像構築

〈実例紹介〉

 左の図がCT装置で撮影した腹部の厚さ0.5mmの元画像です。この元画像900枚程度を用いて3D画像構築を行ったものが右の図になります。赤色が腫瘍に付随する動脈血管で青色が静脈血管。緑色が切除する腫瘍部位で、リンパ節の腫脹は橙色で表記しています。

(上野総合市民病院 放射線技術課 後藤末成)

 

薬剤課

2021/7

 病院の薬剤師は医薬品管理、調剤業務に加え、病棟業務を担います。上野総合市民病院では、10人の薬剤師と助手2名で入院時から在宅療養までシームレス(途切れることなく)に薬剤管理を行い、正確な調剤及び情報提供で診療(医療と看護)を支援しています。

 すべての病棟に薬剤師を配置し、入院時には患者さんが日常に飲まれているお薬を調べ、医師に情報を提供し、継続して使用するお薬については、配るためのセッティングを行い、看護業務の軽減とともに正確な投与を目指しています。この際、重複投与などの適正使用に関する情報提供を行う等、ポリファーマシー(多剤服用)に関する取り組みも行っています。入院中は、使用するお薬について患者さんへの説明や効果、副作用のモニタリング等、薬剤管理を実施しチーム医療の一員として情報を共有し医療の質向上に取り組んでいます。

 また、退院時には、今後お飲みいただくお薬についてや入院中のお薬の使用状況などを記載した「薬剤情報提供書」を作成し、患者さんご自身やご家族等が薬のことをよく知り、理解して治療に参加していただけるよう日々努力しています。

  最近の取り組みとして、①がん治療、特に外来がん化学療法時の開局薬剤師への情報提供、②心不全による増悪・再入院予防、そして生活の質(QOL)の改善を図ることを目指し、チーム医療に参画しています。いずれも在宅での継続した治療管理(薬剤管理)による医療の質向上が目的です。このため、開局薬剤師の皆さんと毎月「薬薬連携研修会」を行い、顔の見える関係を構築し、在宅療養における「かかりつけ薬局」での患者さんの薬剤管理を支援するとともに、入院時から在宅療養までシームレスな医療の展開を目指しオール薬剤師で取り組んでいます。

(上野総合市民病院 薬局長 福森和俊)