臨床工学課

ご挨拶

近年の医療機器は大きく進歩し、医療の分野に大きな役割を果たしています。
しかし、このような医療機器の操作及び保守点検等には医学的知識ばかりでなく工学的知識も必要になり、高度かつ複雑なものとなってきています。
このため、医学的知識と工学的知識を併せ持つ臨床工学技士の存在が必要となっています。
当院の臨床工学技士は現在のところ、主に血液浄化業務、医療機器中央管理業務、手術室業務、心臓カテーテル室業務に携わっています。

臨床工学技士とは

臨床工学技士とは、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする医療機器を専門に扱う医療職種です。
臨床工学技士は医師をはじめ、看護師と共に医療機器を用いたチーム医療の一員として生命維持管理装置をサポートしています。

当院の業務

透析室業務

臨床工学課の風景

ここでは、主に慢性腎不全の患者さんに対して腎臓の代行機能を目的とした血液透析を行なっています。

血液透析を行なうにあたり、患者監視装置、多人数用透析液供給装置、逆浸透水処理装置等を保有しており、これらの操作及び保守管理は重要な業務となっています。

臨床工学課の風景また最近では透析液の清浄化が重要になってきており、水質確保に向けた取り組みも強化しています。

主な透析室関連機器

患者監視装置:30台(DCS-200Si、DCS-27、DCS-100NX)

ME機器管理

医療機器管理業務

ここでは輸液ポンプ、シリンジポンプ、人工呼吸器、持続低圧吸引機等を中央管理化し、保守点検を実施して常に整備された状態の医療機器を各部署に貸出出来るようにしています。また病棟を巡回し、各所に設置されている除細動器の動作点検等も行っています。

中央管理化している主な医療機器

シリンジポンプ
輸液ポンプ
人工呼吸器
エコー
低圧持続吸引機
心電図モニター

臨床工学課の様子 臨床工学課の様子 臨床工学課の様子

病棟業務

病棟巡回を行い、病棟で使用中、待機中の医療機器の確認、点検を行っています。また。癌センターの一員として腹水濾過濃縮還元を積極的に行っています

教育関連

臨床工学課の様子

人工呼吸器など生命維持管理装置やその他の医療機器の研修会や勉強会を行っています。

安全な医療を提供するにはきちんと使用方法をマスターしてリスクをしっかりと認識してもらう必要があります。

各種医療機器や医療材料の研修会も行っています。


MRI室

PHILIPS社製Ingenia 1.5 T

PHILIPS社製Ingenia 1.5 T

2019年4月に導入され稼働開始しました。従来の装置と比べ開口径がワイドになり圧迫感が少なく、新たにデジタルコイルの使用によりノイズの少ない高画質な画像が得られ更に軽量化が図られ患者さまに優しい検査が可能となりました。

がんの検査はPET検査が主流ではありますが、今回新たにDWIBS(ドウイブス)撮影が可能になった事でPETと同じような画像が得られるようになりました。広範囲な撮影が可能になった事で全身がん検索が可能となります。禁忌の方や苦手な領域もありますが、PETに比べ被ばくの心配がなく非侵襲的で費用負担も少なく受けて頂ける検査です。

従来造影剤を使用しないと撮像できなかった脳血流情報も造影剤なしで短時間に画像化できる機能(ASL)も有しており脳虚血性血管障害に対し血管病変の程度や虚血範囲を把握できるようになり救急外来においても重要な役割を果たしています。その他、新しい技術として体動補正技術や横隔膜同期撮影が可能となった事で従来と比べ安定した画質が得られるようになりました。

CT室

CT室

Canon Aquilion Prime SP(80列マルチスライスCT)

当院のCT撮影装置はAquilion Prime SP(80列マルチスライスCT)を導入しています。新しいCTは、画像作成に最新のAI技術を用いて、従来より少ないX線量で、体内金属などからのノイズの少ない高画質な画像を得ることができるようになっており、今まで以上に臨床に貢献できるCT検査ができるようになっています。また、撮影の高速化も図られており、短い時間で広範囲の撮影ができるようになっていますので、検査を受けていただく患者さんの体の負担が少なくなっています。
全症例で0.5~1.0mm厚の薄層データーを再構成し、必要に応じてワークステーションを用いた3次元画像の構築による骨折の詳細画像や手術に適した血管画像など詳細な画像情報を診療科の医師に提供しています。

CTCT