抗インフルエンザ薬

Drug Information 1. 抗インフルエンザ薬

現在国内で承認されている抗インフルエンザ薬は、M2タンパク阻害薬のアマンタジン、ノイラミニダーゼ阻害薬の下記に示した薬剤4種の合わせて5種類です。また、RNAポリメラーゼ阻害薬のファビピラビルが現在承認申請中です。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害することで、感染細胞内で新たに形成されたウイルスが細胞外に遊離するのを阻害し、ウイルスの増殖を抑制します。
抗インフルエンザ薬の投与の基本は、発症から48時間以内に使用するということです。以下にノイラミニダーゼ阻害薬4種の特徴と比較を示します。

商品名 リレンザ タミフル ラピアクタ点滴用 イナビル吸入粉末剤20mg
成分名 ザナミビル水和物 リン酸オセルタミビル ペラミビル水和物 オクタン酸ラニナミビル水和物
剤型 ブリスター5mg カプセル75mg
ドライシロップ3%
バイアル150mg15mL
バッグ300mg60mL
容器20mg(1箇所に10mg)
投与経路 吸入薬 経口薬 注射薬(点滴用) 吸入薬
適応 A型又はB型インフルエンザウイルス 感染症の治療及びその予防 A型又はB型インフルエンザウイルス 感染症の治療
治療に用いる場合 成人 1回10mgを1日2回
(1回あたり2吸入)
5日間吸入器を用いて吸入投与
1回75mgを1日2回
5日間経口投与
300mgを15分以上かけて
点滴静注 最大600mg
単回点滴静注
40mgを吸入投与する。
2容器(4箇所に充填された薬剤を吸入)
単回吸入投与
小児 体重37.5kg以上の小児
1回75mgを1日2回
小児
10mg/kgを15分以上かけて
点滴静注 最大600mg
単回点滴静注
10歳以上の場合
40mgを吸入投与
幼小児:1回2mg/kgを1日2回
5日間、用時懸濁して経口投与
10歳未満の場合
20mgを吸入投与
予防に用いる場合 成人 1回10mgを1日1回
(1回あたり2吸入)
10日間吸入器を用いて吸入投与
1回75mgを1日1回
7〜10日間経口投与
   
小児 体重37.5kg以上の小児
1回75mgを1日1回
10日間経口投与
   
幼小児:1回2mg/kgを1日1回
10日間、用時懸濁して経口投与
その他 ・オセルタミビル耐性株にも有効
・オセルタミビルに比べ
B型に対し効果が高い
経口摂取 単回投与で効果あり
重症化にも効果が期待される
単回投与で効果あり
(アドヒアランスの向上)
オセルタミビル耐性株にも有効

リレンザの吸入方法
グラクソスミスクラインのホームページ(http://glaxosmithkline.co.jp)から
『一般・患者のみなさま』→疾患情報サイト「インフルエンザ」

イナビルの吸入方法
第一三共のホームページ(http://daiichisankyo.co.jp)から
『一般・患者のみなさま』→インフルエンザ情報webサイトで確認できます。