看護師リクルート、キャリアアップに関する提案

中井拓子

1 はじめに

当院の看護師不足は、この5年間でかなり解消されてきたとはいえ、未だ当院は慢性的な看護師不足に悩まされています。伊賀地域は人口減少が進み、若者世代の都市部への流出が著しい地域でもあり、今後その傾向はさらに強くなっていくと予想されます。したがって当院の看護師不足は、病院機能を維持するために全職員が危機感を持って考えていかなければならない、病院全体の問題であるといえます。今後は看護師のリクルート方法、卒後教育、キャリアアッププログラムを、部署、役職関係なく話し合う場をつくり、率直な意見を出し合い、統合的に考えていくべきであると思います。

2 看護師リクルート、キャリアアップのために院外にどうアピールすべきか

当院の診療形態から看護師リクルート、キャリアアップのために院外にどうアピールすべきか

今回、管理栄養士若干名の公募に対し、18名の応募があり、そのうち、伊賀、名張地域外からの応募は8名で、その中には病院常勤勤務者も含まれていました。これまで、当院の管理栄養士の公募に対し、これほど他地域から多数の応募があったことはなく、これは当院で5年前より、学会活動、講演会などを通して、積極的に地域、全国に向け情報発信をしてきてきたこともその一因であると考えられます。

当院の病棟構成の特徴は、各フロアーがわかりやすく、コンパクトにセンター化されていることです。6階は消化器病センター、5階はがん集学的治療センター、4階は循環器内科、神経内科を中心とする内科系救急疾患センター、3階は整形外科を中心とする外科系救急疾患センター、また3階西は認知症患者の在宅移行を主眼とする慢性期療養型病棟です。すなわち、それぞれの病棟単位で扱っている疾患は比較的オーバーラップすることなく専門的であるともいえます。そして、このような形態を有する施設は県内を見てもあまりなく、これはある意味で当院の強みでもあるといえます。したがってこの強みを看護師リクルートや、キャリアアッププログラムに活かすべきであると思います。

3 具体的な戦略として考えられること

  1. 各病棟単位として、特徴のある看護師リクルート方法、キャリアアッププログラムを考えてはどうでしょうか。個人の希望に応じてリクルート後は希望する病棟勤務のみではなく、各病棟に関連する組織でのローテートも付加して専門性を高めた看護師育成を考えてはどうでしょうか。例えば6階病棟であれば、病棟勤務以外に内視鏡部門、手術室部門、5階病棟ならば病棟勤務以外にがん化学療法センター、緩和ケア外来など。4階、3階ならば病棟勤務以外に救急部門など。また、3階西ならば病棟勤務以外に訪問看護ステーションなど。さらに、それぞれの病棟単位別ローテートの中で、資格取得につながるよう教育プログラムを作ってはどうでしょうか。これにより若手看護師の将来のキャリアアップへのモチベーションが向上するのではないでしょうか。さらに仕事のやりがい(市民病院としての使命を果たすための個々の技能、専門性向上)、職場環境、勤務時間(個々の生活スタイルにあわせた勤務体制をサポート)などを考慮することは言うまでもありません。
  2. インターネット、ホームページや地元新聞などを用いた広報活動をさらに積極的に進めたいと思います。当院の看護師になってよかったことをホームページで公開し、(今働いている看護師が当院で働いてよかったこと、今後の目標など)新卒、中途採用のキャリア・パスをホームページで公開したいと思います。さらに多職種チームで積極的に協力しあい、学会発表等の学術活動を積極的に行い、それをさらにメディアを利用して情報発信する体制を作っていきたいと思います。
  3. 以上のプログラムを実行するために、まず多職種からなるワーキンググループを立ちあげたいと思います。

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