伊賀市立上野総合市民病院と味の素株式会社による研究開発プロジェクトが内閣府認定を受けました

2017/07/27

MieLIP伊賀(※1)の構成機関である伊賀市立上野総合市民病院と、味の素株式会社(本社:東京都中央区)による「がん通院患者の食事支援システムに関する研究開発プロジェクト」が、科学技術イノベーション総合戦略2016に基づく「民間機関等における研究開発プロジェクト」(※2)として6月20日付けで内閣府の認定を受けました。

 

1 本プロジェクトの概要

(1)研究目的
  副作用で食事が十分に摂取できず栄養状態の悪化をきたす可能性のある抗がん剤治
療中のがん通院患者を対象に、食事支援アプリケーションソフトを利用した居宅における食事のセルフケア支援のためのシステムの有効性と改良点の確認。

(2)研究期間
  平成27年11月から平成30年3月(予定)まで

(3)研究場所
  伊賀市立上野総合市民病院及び被験者居宅

(4)被験者数
  外来で抗がん剤治療を受けるがん患者 30名(予定)
  (平成29年7月現在の被験者数 25名)

(5)研究方法
  食事支援アプリケーションソフトを搭載したタブレット端末を最大3ヶ月間、被験者に貸与。被験者は、服薬、副作用、喫食率等の記録(原則毎日)を行うとともに、副作用による症状別の食事レシピの提供と管理栄養士(外部)の食事アドバイスを受けることができる。
 これにより、医療機関とがん患者のコミュニケーションに活用し、がん患者のQOL向上を図る。

 

2 本プロジェクトの認定について

(1)認定期間
  平成29年4月1日から平成30年3月31日まで

(2)評価された点

  • がん患者を対象とした、食事の面からの支援を考えた点。
  • がん患者の増加に加え、在宅がん治療が主流となっている中で、抗がん剤の副作用により食事が十分に摂取できないことに対する食事支援のシステムが手薄になっている現状をふまえた点。

 

3 その他
  三重県政記者クラブに同時資料提供しています。

 

※1:MieLIP
(Mie Life Innovation Promotion Center)

 三重県では、平成24年7月に国から「みえライフイノベーション総合特区」の指定(平成29年3月に延長認定)を受け、ヘルスケア分野での新しい技術や考え方を取り入れて画期的な医薬品や医療機器等を生み出す取組を進めています。

その取組の一環として、県内における医薬品や医療機器等の研究開発支援拠点「みえライフイノベーション推進センター(MieLIP)」を県内7ヶ所に設置しています。

 伊賀市立上野総合市民病院はMieLIP伊賀の構成機関であり、企業と連携して臨床試験や実証の実施による新しい製品・サービスの開発等に取り組んでいます。

 

※2:科学技術イノベーション総合戦略2016「民間機関等における研究開発プロジェクト」

 企業が有する知的創造能力の活性化に加え、潜在能力の覚醒を促すことで、社会課題解決の多彩かつ柔軟な対策の核となる研究開発力の強化を図るとともに、これらの知の集約を行うことを目的に、科学技術イノベーション総合戦略2016の対象領域(健康立国のための地域における人とくらしシステム)に資する民間企業の研究開発プロジェクトを内閣府が広く公募、及び認定を行うものです。